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「万波を翔る」木内昇 [本]

万波を翔る

万波を翔る

  • 作者: 木内 昇
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2019/08/24
  • メディア: 単行本

 木内昇氏も好きな作家です。

 開国から四年、幕府は外国局を新設したが、高まる攘夷熱と老獪な欧米列強の開港圧力というかつてない内憂外患を前に、国を開く交渉では幕閣の腰が定まらない。切れ者が登庸された外国奉行も持てる力を発揮できず、薩長の不穏な動きにも翻弄されて・・・勝海舟、水野忠徳、岩瀬忠震、小栗忠順から、渋沢栄一まで異能の幕臣そろい踏み。お城に上がるや、前例のないお役目に東奔西走する田辺太一の成長を通して、日本の外交の曙を躍動感あふれる文章で、爽やかに描ききった傑作長編!

 下手な感想よりも、この紹介文だけで本著の面白さが伝わるのではと思います。


 実在した人物が登場する歴史小説。主人公の田辺太一は名前も知りませんでしたが、幕末から維新にかけて外交に携わった実在した幕臣です。

 茶目っ気があって猪突猛進型の太一が、愛すべき主人公なので、感情移入してすいすい読めます。彼が江戸言葉で思った事をずけずけと言い、様々な上司の下、様々な同僚の中で、悩みながらも逞しく立ち回って行く様にわくわくしました。

 ユーモアある人物描写と、緊張感溢れる物語の展開は流石です。

 開国当初の外交はこの様な状況だったのかと、とても興味深かったです。日本の未来のために外交面で戦った人々の熱い想いに感動。味わい深い物語でした。


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コメント 4

coco030705

やはり、開国のときは本当に大変なことずくめだったでしょうね。ちょっと読んでみたくなりました。
by coco030705 (2020-03-23 21:51) 

Naka

cocoさん
nice!&コメントありがとうございます。
外交面から見た幕末はとても興味深く、歴史の重みを感じました。使節団が西洋の文明に初めて触れた時の描写はベタですが笑えました。
木内昇さんの著書はほとんど読みましたがどれも面白いと思います☆
by Naka (2020-03-24 21:57) 

のらん

歴史は、ちょっと疎くて・・・田辺太一さん、初耳です。
幕末のニッポン、そりゃもう、てんやわんやだったんでしょうね〜
使節団が西洋の文明に初めて触れた時の描写・・・想像するだけで面白そう(^.^)
by のらん (2020-03-28 14:10) 

Naka

のらんさん
nice!&コメントありがとうございます。
機関車、エレベーター、トイレなど、初めて見るとびっくりしますよね(笑)
時代小説、特に幕末~維新のものは好きなのですが、外交面から描いた物語は新鮮でした。立場は違えど沢山の人の苦労があって現在に至るのだな、と感慨深かったです☆
by Naka (2020-03-31 00:10) 

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