「兄弟の血」Aルースルンド&Sトゥンベリ [本]
アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ著。
先日読んだ「熊と踊る」の続編です。
刑期を終えて出所した長男レオが、獄中で出会った男と共に、自分を逮捕した警部への復讐を企てるストーリー。
大胆不敵な略奪計画の成り行きは、スリリングで引き込まれました。臨場感溢れる描写が秀逸です。
更生した弟たちも巻き込まれてしまうのか、深い闇を抱える警部の予想外の行動など、ハラハラの展開でした。
前作同様、過去と現在を行き来する構成が効いて、レオの破滅的な生き様に胸が締め付けられます。犯罪者としてしか生きられないレオは、とても興味深いキャラクターでした。
「熊と踊る」は実際の出来事も含んでいましたが、本作は完全なフィクションとのこと。特殊な環境下での家族の関係性、それが人間形成に与える影響を、より深く抉っていて、前作以上の面白さでした。
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