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「少年の名はジルベール」竹宮惠子 [本]

少年の名はジルベール

少年の名はジルベール

  • 作者: 竹宮 惠子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/01/27
  • メディア: 単行本

 少し前に、NHKEテレで放送した浦沢直樹の漫勉「萩尾望都」を観たのですが、萩尾望都さんの描画の細部への拘りと、漫画に対する情熱に感動しました。『少女漫画の神様』と称される今でも“キュンキュンしながら描いている”という言葉が素敵だと思いました。

 その萩尾望都さんと竹宮惠子さんが、同学年で同居していた時代があったことは初めて知りました。しかも、竹宮惠子さんが萩尾望都さんに嫉妬と憧憬の複雑な想いを抱いていたことは衝撃的でした。

 本著では、デビューから「風と木の詩」が世に出るまでの紆余曲折が詳細に綴られていて、増山法恵さんというブレーン的存在の人との関係や、出版社とのやり取り、製作の苦労、努力など、とても興味深い内容でした。かなり面白いです。

 凡人の私とは住む世界の全く違う漫画家の人たちですが、本著は様々な漫画家の名前が出てきて、70年代の空気を感じることもでき、少女漫画大好きだった幼い頃の自分の気持ちが蘇って、胸が締め付けられました。そして、漫画は、私にとって確かに人間の心の奥深さを学ぶ媒体のひとつだったと思いました。

 マンガを新たなステージに引き上げ、社会さえも変えた(確実に変わったと思います。)竹宮惠子さんの偉業を改めて実感することのできる一冊でした。


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きさ

私もつい最近読みました。
竹宮さんがデビューからの数年間を主に語っているのですが、何と言ってもいわゆる「大泉サロン」の誕生から解消までを本人が語っているのが貴重です。
「大泉サロン」とは、竹宮惠子さんが萩尾望都さんと萩尾さんのペンフレンドだった増山法恵さん(後に竹宮さんのマネージャ兼原作者)の自宅近くのアパートで同居し、そのアパートにその後24年組と呼ばれる少女マンガ家やその予備軍が集って呼ばれた少女マンガの伝説的な場所です。
ちなみにその頃私は友人の妹さんの別冊少女コミックで「ポーの一族」の1篇を読み、少女マンガファンとなります。
竹宮さんが『風と木の詩』を掲載させるためにアンケートで1位になるマンガを描くと連載を始めたのが『ファラオの墓』だという話は知っていましたが、その経緯も詳しく語られます。
まるで「バクマン!」みたいな話ですが、事実です。
そして「大泉サロン」の解消は竹宮さんの萩尾さんへの作家としての嫉妬と劣等感からだったという事が語られるのはまさに秘話。
とても面白かったですが、『風と木の詩』が掲載される所で終わっているので続編を読みたいですね。
by きさ (2016-05-07 09:53) 

Naka

きささん
nice!&コメントありがとうございます☆
「ポーの一族」は名作ですね。
萩尾望都さんについての記述も興味深かったです♪
「バクマン!」私も観ましたが、
同じようにワクワクするエピソードが語られている
読み応えのある本でした。
TV放送中のドラマ「重版出来!」も毎回面白いですが、
漫画家の世界も奥深いですね~
by Naka (2016-05-08 01:11) 

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