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ゴッホ展 [芸術]

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 ゴッホ展に行って来ました。
 https://go-go-gogh.jp/

 ハーグ派の影響を受けた初期の作品から、フランスの印象派を吸収してスタイルを完成させた晩年の作品まで網羅されていて、ゴッホの画家人生について理解が深められる展示会でした。

 ゴッホと言えば、とにかく作品の数に驚かされます。他の画家の模写、デッサン、習作、同じモチーフでの何枚もの作品。正に努力と情熱の天才です。莫大な量の作品から、本展では約40点が展示されていました。

 独学で、しかも10年という短い制作期間、弟テオや友人に制作について語った大量の手紙。ゴッホの頭の中は絵の事で一杯だったのだろうと思い、作品を観ていると胸が締め付けられます。


 ウィレム・デフォーのゴッホ(「永遠の門 ゴッホの見た未来」)も観ようと思っています。

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クリムト展 [芸術]

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 クリムト展に行って来ました。https://klimt2019.jp/

 19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト(1862~1918)の没後100年を記念した展覧会です。

 『ユディトⅠ』『女の三世代』『ヌーダ・ヴェリタス』といった有名な絵画をはじめ、多彩な作品を間近で鑑賞できたのは貴重な体験でした。
 特に『ユディトⅠ』は、恍惚の表情で敵将の生首を手にしたユディトの妖しい美しさに圧倒されました。

 クリムトと言えばこのような、金箔を施し、装飾性とデザイン性に富んだ黄金様式の作品が一番に浮かびますが、それ以外はほとんど知りませんでした。アカデミックな絵画や、自然主義的な肖像画、風景画も多数展示してあったのは興味深かったです。『ベートーヴェン・フリーズ』の巨大壁画の複製も迫力がありました。

 生涯独身で通したクリムトですが、子供は何人もいたらしい。自画像は一切描かず、肖像画のモデルはほとんどが女性。自身について語ることはなかったそうですが、多くの女性とロマンスがあったのだろうと想像します。

 55歳で亡くなるまでに残した油彩画は200点以上。加えて膨大な数の素描も描いたらしい。クリムトの濃密な画家人生を思うと、驚きしかありません。彼にしか出来ない独自の表現を追究し確立した、偉大な芸術家だったと知る事ができた展示会でした。
 稲垣吾郎さんの音声ガイドも心地よかったです(^^。

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美しき氷上の妖精 浅田真央展 [芸術]

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 たまたま行ったデパートで開催中だったので覗いてみたら、入場無料では申し訳ないくらいの充実した展示内容でした(合計約100点展示品+2つの映像モニター)。

 演技の写真パネルと一緒に、使用された衣装の実物が多数展示してあり、どれも見覚えのあるものばかり。近くで見ると、洗練されて凝ったデザインと使い込まれた質感に圧倒されました。衣装を見るだけで演技する彼女の姿が浮かぶのが凄い。思った以上に私の中で彼女の存在が大きいことに驚き、凄い事だと思いました。

 バンクーバーの銀メダル、各種大会での金メダル、キズだらけの愛用のスケート靴も展示されていました。

 浅田真央さんの偉大さを改めて確認し、あの美しい笑顔の裏で、数々の栄光の裏で、どれ程過酷な闘いがあったろうと想像して泣けて来ました。感動を与えてくれた彼女に感謝の気持ちで一杯になりました。

<撮影コーナーにて(衣装と演技中の写真)>
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<現役時代の衣装がイラストになったクリアファイル>
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フィリップス・コレクション展 [芸術]

 フィリップス・コレクション展に行って来ました。
 https://mimt.jp/pc/


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 三菱一号館美術館は、明治時代にコンドルの設計によって建設されその後解体されたものが、原設計に則って2010年に復元された赤煉瓦の建築物です。

 私が訪れたのは2回目。とても素敵な美術館で、建物のレトロな外観は勿論、内部の構造や装飾の美しさに目を奪われます。

 いくつもの部屋に分かれた展示場は名画に相応しい、重厚な雰囲気の空間になっています。正月休み最後の日曜日でしたが、混雑はしていなかったので落ち着いて間近で展示作品を鑑賞することが出来ました。


 アメリカの富豪ダンカン・フィリップス氏が蒐集した美術品から、マネ、ドガ、モネ、セザンヌ、ゴッホ、ピカソ、ブラックなどの近代絵画を中心に75点が展示されています。

 カンディンスキーやブラックなど私には理解しきれませんが、手元の作品を手離して新たな作品を購入するなど、シビアに取捨選択して集めたという絵画や彫刻の数々は歴史的な巨匠によって制作されたものばかり。とても貴重なコレクションだと思いました。


 壁に掲げられたボードの、芸術や個々の作品に関するフィリップス氏の言葉からは、彼の芸術に対する高い見識と情熱が窺えます。

 特に、『絵画は、周囲のあらゆるものに美を見出すことができる力を与えてくれる。私はこの生涯を通じて、人々がものを美しく見ることができるようになるために、画家たちの言葉を人々に通訳し、私なりにできる奉仕を少しずつしてきたのだ。』という、氏の収集家としての信念には強く胸を打たれました。


撮影コーナーにて・・・

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ハインリヒ・カンペンドンク

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ピエール・ボナール

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ウジェーヌ・ドラクロワ

 撮影用はレプリカですが、これらの絵画を含め、本物の芸術作品が間近で鑑賞できて感激しました☆



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藤田嗣治展 [芸術]

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 藤田嗣治(1886~1968)の没後50年を記念しての大回顧展です。東京での最終日が近づいて慌てて行って来ました。
 http://foujita2018.jp/

 最終の連休中とあって混んでいたので、ゆっくり鑑賞して回ることは出来ませんでしたが、それでも行って良かったと思える、素晴らしい展覧会でした。

 初期の芸大生時代の作品から、晩年の作品まで、「風景画」「肖像画」「裸婦」「宗教画」とテーマ別に100点以上が展示してありました。藤田嗣治といえば「乳白色の下地」ですが、その裸婦の代表作も多数鑑賞することができました。傑作揃いでこの作品数。よくもここまで一堂に集められたと思います。


 私は、白肌の裸婦と太平洋戦争時の作品くらいしか知らなかったのですが、幅広い色彩やテーマの作品を残していることに驚かされました。そして多彩な作品の中で戦争画の暗さが余計に際立っていることに衝撃を受けました。

 二度の大戦を経験し、最期は異国の地に骨を埋めた彼には、様々な想いがあったであろう事が作品のひとつひとつから伝わって来ました。晩年に宗教画を描いたことはとても興味深いと思います。

 見どころ満載の貴重な展覧会でした。

 
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至上の印象派展 ビュールレ・コレクション [芸術]

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「ビュールレ展」に行って来ました。
 http://www.buehrle2018.jp/


 エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)はその質の高いコレクションで知られるスイスの美術収集家です。2020年に全ての作品がチューリヒ美術館に移管されることになっており、これほどの傑作が日本で一堂に集まるのは最後の機会かも知れません。

 http://www.buehrle2018.jp/works
 とにかく素晴らしいコレクションでした。
 古典主義から印象派に変遷する過程や様式の特徴が解りやすく展示してあり、画家それぞれの個性をより深く感じることができました。
 印象派を主に、近代絵画64点が空間を十分とって広々と展示してあり、ゆったりと快適に鑑賞できました。半分は日本初公開の作品だそうです。

 話題の傑作絵画、ルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》、セザンヌの《赤いチョッキの少年》、ゴッホの《日没を背に種まく人》を、目の前で鑑賞できて感激でした。

 セザンヌの絶筆で未完成とされる《庭師ヴァリエ》、ゴッホの《アニエールのセーヌ川にかかる橋》、コローの《読書する少女》は個人的にとても好きな作品です。
 特に、セザンヌとゴッホは各6点が揃い、画家の様式の歴史が細かく見られて興味深かったです。

 モネとマネの、庭を描いた風景画は色彩がとても美しくてうっとりしました。モネは、壁一面を占める睡蓮の大作も印象的でした。

 他に、ドガ、カナレット、シニャック、シスレー、ピサロ、ゴーギャン、ロートレック、ブラック、ピカソなど、名前を並べるだけでワクワクしますが、これほどの巨匠の傑作を一度に鑑賞できるのはとても貴重だと思いました。

 近代絵画の魅力をギュッと凝縮して味わうことができる、至福の展覧会でした。



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ゴッホ展「巡りゆく日本の夢」 [芸術]

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 ・・・という訳で、ゴッホ展に行ってきました。http://gogh-japan.jp/

 フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)と日本との関係をテーマに、ゴッホの油絵やデッサン、浮世絵、日本との深い繋がりを示す文献など展示してありました。


 なるほど、ゴッホの絵には構図や色彩に浮世絵の影響を感じさせるものが多い。27歳で絵の道に入り、33歳ごろ浮世絵に出会い、37歳で逝去。短い期間によくあの独自のスタイルを築き上げられたものだと驚嘆します。

 ゴッホに関する文献としては、主に弟テオに宛てた手紙が大量に残っていますが、その中で日本に言及した文章も紹介されていました。映画を観た直後のせいもあり、浮世絵に魅せられ、日本に憧れたゴッホの想いが、とても切ないと思いました。


 ゴッホの死の20数年後、日本でブームとなり、多くの日本人が墓のあるパリ近くのゴッホ最期の地を訪れたという。その際記された署名や写真なども展示してあり、改めてゴッホの偉業と儚くも濃厚な画家の人生に想いを馳せました。

 ゴッホの有名な作品もいくつか鑑賞できて貴重な展示会でした。



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ミュシャ展 [芸術]

「ミュシャ展」に行って来ました。

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http://www.mucha2017.jp/


 パリで商業デザイナーとして成功を収め、アールヌーヴォーの代表者と称されるミュシャ(チェコ語ではムハ)が、祖国チェコに帰還後約16年をかけて描いた大作「スラヴ叙事詩」。

 スラヴ民族の苦難の歴史と誇りを描いた全20点でなる本シリーズが、チェコ国外で初めて全点揃って公開されるというので、興味をそそられ行って来ました。


 最大で縦6メートル×横8メートルにも及ぶ巨大な油彩画を前に、ただただ圧倒されました。幻想的でもあり、写実的でもあり、独特の世界観を放つ作品のパワーに引き込まれます。

 ポスターや挿絵など、細かくデザイン性の強い作品のイメージだったミュシャですが、こんなスケールの大きな油彩画を制作していたとは。探究心や使命感といった芸術家としての熱い想いが伝わって来るようでした。


 「スラヴ叙事詩」の他に、習作の数々、リトグラフや出版物、紙幣や切手も展示されていました。彫刻作品もあり、ミュシャの魅力の詰まった多彩な展示会となっています。


 撮影OKのエリアで。(フレームに入りきれていません。)

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聖アトス山

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スラヴ民族の賛歌


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ゴッホとゴーギャン展 [芸術]

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 ゴッホとゴーギャン展に行ってきました。

 http://www.g-g2016.com/


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 ゴッホとゴーギャンに、たった2ヶ月間ですが共同生活をしていた時期があったとは知りませんでした。

 本展示会では、この2巨匠の関係性に焦点を当て、彼らに影響を与えた画家たちの作品と共に、初期から晩年までの様々な絵画が展示されていました。

 ゴッホとゴーギャンはその親交を通じて互いに触発し合うことで、多くの名画を残したという面もあるのだと理解できました。



 現実から着想を得たゴッホ、想像を重視したゴーギャン、と作風の違いが指摘されますが、私はどちらかと言えばゴッホの作品の方が好きです。

 彼は精神を病んで37才の若さで自ら命を断っています。

 有名なひまわりや自画像のような濃い色彩や激しいタッチの印象が強いゴッホですが、柔らかで優しい風景画や静物画、肖像画も多数残している。改めて作品のひとつひとつを観ると、どれも人間らしい暖かみが感じられます。

 生涯ゴッホを支援した弟テオに宛てた大量の手紙から抜粋した言葉が、絵画と共に掲げられていました。そこからは、画家としての覚悟や悦び、また試行錯誤するゴッホの真摯な姿が浮かび上がります。

 狂気の画家とも呼ばれるゴッホですが、病苦と闘いながらも、キャンバスに向かう時は平穏を取り戻していたのではないかと想像を巡らせました。作品を観ていると、救われたような悲しいような、何ともいえない気持ちに包まれます。

 10年という短い制作活動で、様々な画法を研究し多くの名作を残した偉業は凄い。絵は画家が生きた証だと思いますが、正に作品には画家の命が宿っているという思いを強くしました。いい展覧会でした。


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カラヴァッジョ展 [芸術]

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 世界文化遺産への登録で話題となっている上野の国立西洋美術館ですが、そこで現在開催中の「カラヴァッジョ展」、もう一月も前のことになりますが、4月に行って来ました。


 バロック絵画を代表するイタリアの大画家で、レンブラント、フェルメールなど多くの画家に影響を与えたカラヴァッジョ(1571-1610年)。彼の作品11点と、その画法の継承者たち(カラヴァジェスキ)の作品が展示されています。

 公式サイト http://caravaggio.jp/


 カラヴァッジョの作品は、美しくて、怖くて、妖気のようなものを放っている。明暗のコントラストを強調した絵画は、映画のワンシーンを切り取ったようでもあり、人物表現がリアルで、物語性を感じさせます。“斬首”や“五感”を表現したものなど、絵のテーマもユニークで、貪欲に芸術を極めようと挑む画家の情熱が伝わって来て、圧倒されます。

 激しい性格だったカラヴァッジョが起こした裁判や暴力事件を記録した古文書なども展示されていて、カラヴァッジョの波乱に満ちた人生を垣間見るのも興味深かった。


 世界で初公開の『法悦のマグダラのマリア』をはじめ、日本初公開の作品も多数あり、カラヴァッジョの本物を観られた事は、とても貴重な体験でした。


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 展示会に行く少し前、テレビ(NHK総合)で放送した『カラヴァッジョ 光と闇のエクスタシー~ヤマザキマリと北村一輝のイタリア~』という番組で予習しました。カラヴァッジョについては、殺人を犯し逃亡しながらも作品を残し、若くして世を去った画家、ということくらいしか知らなかったので、とても勉強になりました。

 作品と生涯が解りやすく解説されていて充実の内容。イタリアの風景がとてもよく似合う北村一輝さんとヤマザキマリさん。画家縁の地を旅しながらの二人のナビゲーションが素晴らしかったです。


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