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「ドローン・オブ・ウォー」 [旧作(DVD・TV)]

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GOOD KILL
2014アメリカ

監督・脚本:アンドリュー・ニコル
出演:イーサン・ホーク、ブルース・グリーンウッド、ゾーイ・クラヴィッツ、ジェイク・アベル、ジャニュアリー・ジョーンズ、ディラン・ケニン、ピーター・コヨーテ


 ラスベガス郊外で美しい妻と2人の子どもに囲まれ満ち足りた生活を送るアメリカ空軍のトミー・イーガン少佐。かつてF-16戦闘機のパイロットとして活躍した彼は、現在はドローン操縦士として政府のテロリスト掃討作戦に貢献していた。そんな彼の赴任地はラスベガスの空軍基地内のオペレーション・ルーム。そこではるか中東上空を飛ぶドローンを遠隔操作し、テロリストと思われる敵に対して空対地ミサイル“ヘルファイア”を撃ちこむのが彼に与えられたミッションだった。時には民間人を巻き添えにしてしまうこともあるが、それでも一日の任務を終えれば、家族のいる温かな自宅が待っていた。そんな奇妙な二重生活に違和感は募るばかりで、次第に神経をすり減らしていくトミーだったが…。(allcinema解説より)


 昨年公開していた時に、観ようか迷って観られなかった作品。WOWOWで観ることができました。

 「ガタカ」のコンビ、アンドリュー・ニコル監督&イーサン・ホーク主演です。「ガタカ」は美しくてもの悲しくて心に残る作品でした。その他に、ニコラス・ケイジ主演の「ロード・オブ・ウォー」もニコル監督作品。こちらもイーサン・ホークが出演していました。


 標的を定め、一定の手順に従ってボタンを操作するだけ。人も建物も一瞬にして吹き飛ぶ。そして、任務遂行を確認した時の合図が“Good kill”。本作の原題です。

 コントロール室からドローン爆撃するシーンが何度も繰り返されるうち、テロリストの死にも民間人の死にもだんだん慣れて来る。一種のゲームのようで現実の気がしない。そのことがとても恐ろしいと思いました。

 アメリカの平穏な生活と青い空が、色彩のない軍のモニターの映像とは対照的でしたが、こちらもまた幻のように思えて来ます。

 戦地の米兵の休息のために見張り役を務めた際には、”いい仕事をした”とトミーの心が安らぐ瞬間もあるものの、任務と良心の狭間でトミーの精神は次第にバランスを崩して行く。自国の平和のため、家族を守るために、意義ある任務だと言う同僚も、そう自身に言い聞かせているだけに見える。正義とは何だろうと分からなくなります。

 ますます渋味を増したイーサン・ホーク、そのリアルな演技に終始引き込まれました。非情な任務に心を病んでいくトミーの様。ラストの彼の行動。かなりショッキングでした。


 ドローンの軍事利用は急速に進んでいるらしい。12月には、同じくドローンによる現代の戦争の実態を描いた「アイ・インザ・スカイ 世界一安全な戦場」という映画も公開されるようです。こちらはヘレン・ミレン主演。アラン・リックマンの遺作です。

 現代の戦争の現実を突き付けられ、考えさせられる。でもまだまだ受け止め切れないし、決して楽しい気分にはなれないけれど、観ておいて良かったと思える映画でした。

☆☆☆☆



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のらん

ハイテク時代の戦争は、ますますゲーム感覚になっていますね。。
こんなに悲惨な体験を繰り返しても、いっこうに戦争を止めないニンゲンたち。。
どうしてでしょうね。。
by のらん (2016-10-15 13:44) 

Naka

のらんさん
nice!&コメントありがとうございます。
いろいろ考えると、暗い気持ちになりますね(;;
重苦しいテーマでしたが、いい映画でした。
イーサン・ホークの演技も見応えありました。
いい俳優ですね(^^


by Naka (2016-10-16 23:09) 

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