「探偵物語」

1983日本
監督：根岸吉太郎
原作：赤川次郎
出演：薬師丸ひろ子、松田優作、秋川リサ、岸田今日子、財津一郎、北詰友樹、坂上味和、ストロング金剛、山西道広、中村晃子、加藤善博、荒井注、蟹江敬三



　赤川次郎原作、根岸吉太郎監督作品。
　薬師丸ひろ子の主演映画３作目で、大学受験の為に休業していた彼女の復帰作でもある。松田優作との共演もあり、当時大きな話題になっていました。

　３０年以上経って改めて鑑賞して先ず感じたのが、アイドル映画的な印象だったのが、実は物語の軸のしっかりした大人な映画だったのだということ。何気なく見始めたのですが止まらなくなってしまいました。名シーン、名台詞も沢山。脚本は鎌田敏夫だったのですね。

　女子大生の新井直美と、彼女のボディガードを依頼された私立探偵の辻山秀一が、辻山の元妻が巻き込まれた殺人事件の犯人探しに奔走する、というストーリー。直美が、一回り歳上の辻山に惹かれる心の機微が丁寧に描かれています。


　薬師丸ひろ子はまだ幼さを感じさせますが、生々しい大人の世界に触れて、少女から大人に成長する主人公を好演。そして探偵の辻山を演じた松田優作が、ちょっとコミカルな抑えた演技で色気があってとてもいい。ストーリーを引き立て、互いを輝かせる絶妙な組合せだと思いました。

　松田優作は本作が公開されて６年後に他界。そう思って観ると今更ながら本当に残念で仕方ないです。

　直美が辻山の部屋を訪れて想いを告白する長回しのシーンは、直美の胸の鼓動が伝わって来て物凄い緊迫感。固唾を呑んで見入りました。そして、直美の帰り道で流れる切ないテーマ曲・・・。二人の演技と一連の演出は、鳥肌が立つほどで特に凄いと思いました。

　ラスト、キスシーンからの終わり方も余韻があってとてもいい。

　岸田今日子、財津一郎など、脇を固める俳優陣も皆良かった。
　ディスコやファッション、ダイヤル式電話など、80年代の世相は懐かしかったです。

☆☆☆☆

コメント 4

なつかしい〜♪
私も、ちょっと前、BSかなんかで観て、しみじみ面白いって思いましたよ。
そうか、鎌田敏夫さんの脚本だったんですね〜(^.^)
by のらん (2016-10-22 15:05) 

のらんさん
ですよね～♪（＾＾
３０年前には気付かなかった新たな発見が沢山ありました。
当時の私は若すぎて
ちゃんと内容を解釈できていなかった気がします（＾＾；
ちょっと頼りないおじさん役の松田優作が上手かったですね。
告白シーンは久々に胸がキュンとしました。
岸田今日子の”・・・減りますから。”のセリフも懐かしかったです。
nice!ありがとうございました☆
by Naka (2016-10-22 22:50) 

なつかしいですね。
当時からしっかりした映画だと思いました。
根岸吉太郎監督ですしね。
この映画はロードショーで見たと思いますが、当時は結構ヨコハマ映画祭に毎年の様に足を運んでいて、「家族ゲーム」だったかで松田優作のあいさつを見たのが印象的でした。薬師丸ひろ子もヨコハマ映画祭であいさつ見ましたね。

by きさ (2016-10-29 20:41) 

きささん
nice!とコメントありがとうございます。
昔観た映画を観直すのも楽しいですね。
自分の成長（？）も感じられます。
きささんが松田優作の舞台あいさつをご覧になったとは、
羨ましい限りです。
本作を観て貴重な俳優だったなぁと改めて思いました☆

by Naka (2016-10-31 00:18)