SSブログ

「天地に燦たり」川越宗一 [本]

天地に燦たり

天地に燦たり

  • 作者: 宗一, 川越
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/07/06
  • メディア: 単行本


 直木賞受賞作「熱源」をいつか読みたいと思っているのですが、その前に、2018年の川越宗一氏のデビュー作を読んでみました。

 豊臣秀吉の朝鮮出兵から島津の琉球国制圧までの詳細が描かれ、知らなかった歴史の部分でもあるし、とにかく面白かった。


 島津家に仕える侍大将、商人に姿を変えた琉球国の密偵、朝鮮国の被差別民の青年。三人の男が自身の誠を尽くし、動乱の世を逞しく生き抜く物語です。

 戦の場面は迫力溢れる文章に引き込まれ、著者の知識量や鋭い考察力に驚かされました。

 何のために戦うのか、何のために生きるのか、重いテーマですが考えさせられます。
 戦争の惨さは読んでいて辛いですが、それぞれの国、立場で貫く彼らの矜持は清々しく格好良かった。

 別々に描かれる三人の人生が徐々に交わって行く様はドラマチックです。ラスト、異なる道を駆け抜けた彼らが、礼を持って対峙する姿は感動的でした。

 根底に儒学の思想がありますが、共感できる教えが多く興味深かったです。

nice!(15)  コメント(2) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 15

コメント 2

coco030705

こんにちは。
私は歴史に弱い(受験勉強でただ覚えるだけが嫌だった)のですが、こういう小説で読むと面白いでしょうね。
by coco030705 (2020-04-22 13:00) 

Naka

こんにちは。
nice!&コメントありがとうございます。
有名無名に限らず、昔の人がどのように考え、生きていたか、想像するのはワクワクしますね。
私は「竜馬がゆく」で時代小説が好きになりましたが、もっと早く出会っていれば、受験勉強が楽しかったかも・・・と思います(^^
by Naka (2020-04-23 10:54) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。