SSブログ

「戦下の淡き光」マイケル・オンダーチェ著 [本]

戦下の淡き光

戦下の淡き光

  • 出版社/メーカー: 作品社
  • 発売日: 2019/09/13
  • メディア: 単行本
マイケル・オンダーチェ
田栗美奈子訳


 ”1945年、うちの両親は、犯罪者かもしれない男ふたりの手に僕らをゆだねて姿を消した。”

 謎めいた文章から始まります。

 戦時中に諜報活動に携わった母親の秘密を、主人公が少年期の回想と共に考察する物語。当事者だけでなく、後世にも暗い影を落とす戦争の怖さが伝わって来る内容でした。

 時間軸や現実と憶測の境が曖昧で、捉え所のない文章ですが、その心地良さに引き込まれます。

 著者は「イングリッシュ・ペイシェント」の原作者で、本は未読ですが映画のふわっとした感覚は似ていると思いました。

 ふと、昔の記憶や、昔に抱いた感情が蘇る瞬間があり、甘く切なく胸を揺さぶられます。

 ふわっとしたまま読み終えたのですが、主人公の人生に想いを馳せ、後からじわじわと哀しいような切ないような、気持ちが心に広がりました。


nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 8

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。